大分県立竹田高で剣道部の練習中に熱射病で倒れ、死亡した工藤剣太さんの事件で、当時の顧問と副顧問に「重大過失」の判決
2009年、大分県立竹田高校で起こった剣道部の練習中に熱射病で倒れ、死亡した工藤剣太さんの両親が、大分県を相手に当時の顧問と副顧問の教諭に賠償責任を負わせるよう求めた訴訟を起こしていた。12/22日に大分地裁で、竹内浩史裁判長が元顧問に対して「重過失があった」として、県が元顧問に100万円を請求するよう命じる判決を下している。
改めて事件の内容を振り返ると、元顧問は
・熱中症で竹刀を持てない工藤さんに、構えのしぐさを続けさせる
・工藤さんが倒れると、横腹を蹴る
・再び倒れると、身体の上にまたがり「演技だろう」と言いながら10回ほど平手打ち
などのひどい仕打ちをしている。これはもう意図的かどうかは別として、殺人なのだから、100万円では安過ぎると思う。どんなに償っても人の命は返ってこない。17歳の前途ある若者を無くした良心の気持ちはいかばかりか。
お金で解決する問題ではないだろうが、あとゼロが2つぐらいあっても良いのではないだろうか。指導と称して、やりたい放題の教員がいることに心から憤りを感じる。残念なのは、こうした事件で教員の名前が報道されないことだ・・・。
剣太の会(子どもの安全を守るため、学校事故事件を防止するために活動する会):
https://www.facebook.com/%E5%89%A3%E5%A4%AA%E3%81%AE%E4%BC%9A-235348386600798/
剣道部員死亡、元顧問にも賠償責任 大分地裁判決「重過失あった」
2016年12月23日 06時00分 西日本新聞より
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/297522
大分県立竹田高で2009年、剣道部の練習中に熱射病で倒れ、死亡した工藤剣太さん=当時(17)=の両親が、県を相手取り、当時の顧問と副顧問の教諭に賠償責任を負わせるよう求めた訴訟の判決が22日、大分地裁であった。竹内浩史裁判長は、元顧問に「重過失があった」として、県が元顧問に100万円を請求するよう命じた。
弁護団によると、体罰による業務上過失致死罪など、刑事事件にならなかった部活動の指導で、教諭の賠償責任が認められるのは異例。部活指導の在り方に一石を投じそうだ。
判決によると、09年8月22日、元顧問は工藤さんに他の部員より多く打ち込み稽古をさせた。工藤さんは「もう無理です」と訴え、竹刀を落としても気付かないまま構えのしぐさを続けた。元顧問は、工藤さんが倒れると横腹を蹴り、再び倒れると体の上にまたがり、「演技じゃろうが」と言いながら10回程度、頬を平手打ちした。元顧問は「気持ちを奮い立たせるためだった」などと主張した。
だが、竹内裁判長は元顧問が保健体育の教諭として熱中症対策を教えていたことなどから、「竹刀を落とした段階で熱射病による意識障害が出ており、放置すれば死亡の危険が高いと容易に認識できた」と認定。その後の平手打ちなどは「状態を悪化させる不適切な行為で、重過失があった」と結論付けた。
裁判は、賠償責任を負った国や地方公共団体は、公務員個人に故意または重大な過失があった場合、賠償の負担を求める権利(求償権)を持つとする国家賠償法の規定に基づき起こされた。
竹内裁判長は、両親が起こした別の損害賠償請求訴訟で県に支払いが命じられた2755万円のうち、保険でカバーされた分を除く県の実質負担200万円の半分を元顧問に請求するよう命じた。元副顧問への請求は退けた。
父親の英士さん(51)は記者会見で「一矢報いることができ、やっと剣太に顔向けができる。今後、部活動で教師の指導による事故が減ると思う」と語った。
県教育委員会の工藤利明教育長は「重い判決と受け止めている。今後の対応は判決の内容を十分検討して考えたい」としている。