愛子様がティアラを新調しないことを美談で終わらせてよいのか

愛子様が間もなく成年皇族となられるにあたり、ティアラを新調しないというニュースが話題になっている。清子内親王殿下(黒田清子さん)が使っていたものを使用するそうだ。

すでに、4月の女性自身で「愛子さまティアラの予算つかず3千万円をお手元金から捻出か」というニュースがあったのだが、結局は新たに購入することはしないという結論に至ったようだ。

もともと成年皇族のティアラは、黒田清子さんまではお手元金である内廷費や皇族費から出していたが、三笠宮彬子女王殿下以降は、公費である宮廷費から支出されている。公務でしか使わないティアラを皇族費から出すには、あまりにも高額すぎるという背景があったからだ。

さて、このティアラ。どのぐらいの価格なのかと言えば、眞子様の時は和光が入札、2,856万円、佳子様の時はミキモトが2,793万円で制作している。

ティアラを新調しないのは本当に美談なのか?

愛子様は新調されないから、これらの費用はかからない。しかし、それで本当によいのだろうか?

眞子様の一連のご結婚騒動があってから、税金を使って何かすることに目くじらを立てる声が大きくなってきている。ネットという世界でそうした声が可視化されやすくなったことも一因だろう。

しかし皇室という特別な環境に生まれ、宮様一人で外交官の100人分のパワーを持つと言われている方々が対外的な品位を保つために必要な費用なのであれば、それはきちんと出すべきなのではないか。予算が全くないのであれば別だが、ただ単に国民感情への配慮なのだとしたら、それは行き過ぎていると思うのだ。

また、3,000万円前後の費用が民間に流れるということは、それだけ経済効果もあるだろう。どうしてもネットではネガティブな声が大きくなりがちだが、日本には皇室大ファンという層がたくさんいて、女性皇族が身につけるティアラも注目度の高いテーマの一つである。

それにティアラは新調しないとしても、白い絹地で作るローブモンタントやその他の儀式用のドレスは一式作るわけだから、ティアラを新調しても良かったのではないか。

皇室の費用は現在ほとんどが税金だが、もともとは世界有数の資産を持っていた。戦後、没収され宮廷費や皇族費という形で税金で賄われるようになった。本来であればティアラを作ってもなんら責められることはないはずである。そうした身だしなみも含めて、対外的な威力を発揮し、国同士の親交に繋がるのであれば日本という国にとっても喜ばしいことのはずである。

コロナ禍に苦しむ人がいる現状であることは十分理解しているが、そのはけ口を皇室に向けてしまったよいのかは甚だ疑問だし、そこまで世論を恐れなくてもよいのではないだろうか。

愛子さまティアラの予算つかず 3千万円をお手元金から捻出か

《愛子さまのティアラ 予算つかず》

今年12月、愛子さまは成人を迎えられる。女性皇族は成人するにあたって、宮中晩餐会など公式の場で着けるティアラを制作することになっている。

ところが、今年度の予算には愛子さまのティアラの制作費が計上されていないというのだ。ティアラの制作費はこれまで、どのように支出されてきたのか。宮内庁OBに話を聞いた。

「前例をみると、平成元年に成人された黒田清子さんまではお手元金である内廷費や皇族費からティアラの制作費が支出されています。しかし、三笠宮家の彬子女王殿下よりあとに成人された女性皇族のティアラは、すべて公費である宮廷費から支出されています。宮廷費で賄われるようになった背景には、ティアラを着けて正装するのはご公務のときに限られる、皇族費から出すには高価すぎるといった事情があります」

■眞子さまは5点セットで2,856万円

ちなみに、眞子さまのティアラは指名競争入札で和光が落札。ネックレスなどを含む宝飾品5点セットで2,856万円だった。

佳子さまが成人される際は5社の企画コンペによる公募入札が行われ、ミキモトが宝飾品一式を2,793万円で制作した。

元宮内庁職員で皇室ジャーナリストの山下晋司さんによると、

「お手元金でお作りになったものは私物ですが、公費で作ったものは国有物品ですから、皇族でいらっしゃる間だけお使いいただき、ご結婚などで皇籍離脱の際には国に戻していただくことになります」

皇室ジャーナリストの渡邉みどりさんは、予算が計上されなかった背景には、天皇家のお考えがあると語る。

「今はコロナ禍ですから、できるだけ華美なものにお金を使わないというお考えがあるのでしょう。眞子さまや佳子さまが約3千万円ですから、天皇家の長女である愛子さまならばそれ以上のものを作られることになるでしょう。もしくは、黒田清子さんのティアラはもう使われることはないですから、それをお使いになられるかもしれません。愛子さまが引き継がれるとしたら素敵ですね」

たいへん高価なティアラだが、予算に計上されていない以上、天皇家の“生活費”から捻出されるか、これまでに作られたティアラを引き継がれることになる。天皇陛下と雅子さまは公費の支出を避けられたのだ。

「女性自身」2021年4月20日号 掲載
https://jisin.jp/domestic/1969081/2/

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